共感というのは人間関係を築くのに大切なことです。されると嬉しく、できなかったら少し寂しい。他者と共感し合うためには、共通する立ち位置が必要です。
では、かおす先生はどうでしょう。まんが家の先輩たちは優しくも遥か先にいます。同室の仲間も先へ行こうとしています。
共感と成長がテーマの、第7話です。
ストーリー
アバン ~ Aパート
小夢ちゃんと琉姫さんの仲良しお風呂シーンから始まります。やっっったぜ!
そして短期ながらも小夢ちゃんの連載が決まったとのこと。おめでとうございます!
1話でもありましたが、この寮の間取りはキッチンとお風呂の窓が直で繋がっているので(えげつない)、2人のお話はキッチンにいたかおす先生にも聞こえていました。同じ夢見る仲間として先を行かれた形ですが、先生は何を思うのか。
「かおすというへんてこなモブがいたことをどうか忘れないで!」
窓に向かって土下座します。とりあえず心から祝福しているようです。
それから一糸まとわぬ小夢ちゃんに面と向かってメインキャラだよとフォローしてもらいます。お風呂って良いですね。
オープニング
おわかりいただけただろうか。
かおす先生、小夢ちゃんのお祝いしてたら遅くなっちゃった、なんて可愛らしいことを呟いていると、にゃおすの弱々しい鳴き声をキャッチします。何故かにゃおすに敬語で先生付きです。
すると、猫の手を求めて地を這うフーラ(怖浦)先輩と遭遇します。貞子みたいで怖! でも先生がすぐに落ち着きを取り戻したことから、仲の進展が見られますね。
フーラ先輩はアシスタントを求めていました。人望ないから誰にも固定で付いてもらえず、琉姫さんたちも忙しそうで頼めないとのことです。そこで立ち上がったのはかおす先生でした。おともだち! 寮の中で誰よりも忙しくありません!泣
フーラ先輩のお部屋は屋根裏です。階段を下ろす音も含めていちいち怖い。かおす先生も頭を少し屈めるくらい狭い扉を抜けると、骸骨や日本人形に彩られた内装のお部屋に辿り着くのでした。怖!
先生の胸元INのにゃおすが羨ましい。
気を取り直してアシスタントを始めますが、先生はトーンが苦手です。しかしベタをやるにしても先輩のホラー漫画相手ではSAN値が足りません。そこで先輩に勧められたのは、背景でした。消失点? 果たして先生にできるのか……
できないので、先輩に手取り足取り教えてもらいます。耳元で囁かれます。羨ましい!
フーラ先輩のお部屋には、怖い人形たちの中に一風変わったものがありました。ねぶた、赤べこ、こけしです。それらはかおす先生の心をくすぐります。何を隠そう、先生は福島、先輩は青森出身で、東北という同郷の仲間だったのです。そういえば先生の部屋にもこけしがありましたね。
地元が近くて友達少ない、共通点が増えて、ますます心が通い合います。一緒に首を傾けるところ可愛いですね。
ところで先輩は絵が上手ですが、昔はそうでもなかったとのことです。その具合はというと、ホラーシーンをかおす先生が見ても怖くならないほどでした。現在の画力があるのは同室の子のアドバイスをもとに練習を重ねた結果だと先輩は言います。
同室の人は今……? という当然の疑問。すると先輩は飾られていた写真をおもむろに手に取り、涙を流します。まさか……
「たぶん取材旅行へ」
いや取材旅行かーい!(陣内智則風)
とは言え同室の人は何も言わずどこかへ行ってしまい、フーラ先輩は一人になってしまったそうです。涙を流すのも無理はありません。そんな先輩に、かおす先生は涙を浮かべ、一生おともだちですと声をかけます。ああ、尊い。そして襲われるのでした。
食堂にて、琉姫さんは悩んでいました。小夢ちゃんの連載決定の話がかおす先生にとってはショックだったのではないか、と。すると、屋根裏の騒音に気がつきます。
琉姫さんが向かった先には、フーラ先輩の囚われの身となったかおす先生がいるのでした。かおすちゃんを泣かせないで、と憤る琉姫さん。誤解を解くため、フーラ先輩はかおす先生がアシスタントで仕上げてくれた背景を見せます。上手です。が、異議アリ!
「嘘つかないでください。かおすちゃん、こんなにまともに――描けません!」
ひどい! でもわからなくもない……。
意外と物を教えるのが上手で面倒見の良いフーラ先輩でした。私もべたべたされて色々教わりたい。一緒に雪かきしたい。
日にち変わって、仕事に集中する眼鏡琉姫さんを視姦眺めながら、かおす先生はデレデレしていました。凛々しくて神々しくて横顔をいつまでも見ていられる――わかりみ。
かおす先生は大人の女性に憧れていました(ただし編沢さんを除く)。そしてひょんなことから、先生も眼鏡を作ってみるという話になります。これで大人の一員に?
「私には眼鏡は重すぎます!」
やっぱり大袈裟でネガティブなかおす先生でした。
翌朝、小夢ちゃんは部屋の中の隙間という隙間を探し回っていました。なんとかおす先生がどこかへ行ってしまったのです。
琉姫さんと翼さんも来て、先生の机の上に書き置きを発見します。そこには、神聖なる者への一歩を踏み出すために一人で旅立ったとの旨が書かれてありました。心配過ぎる!
Bパート
なんとか秋葉原に辿り着いたかおす先生。どうやら眼鏡を買いたかったようです。が、寄り道でアニメイトに来ました。なんとなく琉姫さんに似たキャラのフィギュアを見て、その尊さに涙を流します。危ない人っぽいどころか、周囲に迷子だと勘違いされていました。そしてフィギュアはもちろん購入。
アキバを楽しむものの、萌え語りできる仲間が欲しいと思うかおす先生。すると、誰かに肩を叩かれます。早くも仲間が、ということはなく、相手は警察の方でした。
警察 先生を迷子の女児だと思っている。
先生 不審者扱いで逮捕されると思っている。
アンジャッシュのようなすれ違いが発生し、かおす先生はその場から逃走します。
アキバの片隅で段ボール箱に収まるかおす先生。迷子の次はさながら捨てネコのようです。ひとりぼっちになって、ぽたぽたと涙を零します。Aパートのフーラ先輩と被せた演出でしょうか? さすがに唐突すぎる気もします涙
悲しみに打ちひしがれていると、慣れ親しんだ声がかけられます。先生が顔を上げると、そこには小夢ちゃんたちの姿が! みなさん……!
どうやらかおす先生のSNSの裏垢を発見して、その呟きをもとに先生を探してくれたようでした。かおす先生、普段は大人しいのにネットだとテンション高いということがリア友にバレてしまいました。ある意味一番恥ずかしい事件だと思います。はこなう。
実は、Bパートの冒頭で先生はずっとスマホをいじっていました。ささやかな描写ながら伏線だったようです。見逃した方はぜひ巻き戻してみてください。
小夢ちゃんは先生の購入したフィギュア、るかにゃんに食いつきます。萌え語りできる仲間を欲していた先生はスイッチが入ります。「共感されるって気持ちいい!」
翼さんはチラシに描かれたバトルモノっぽいアニメを発見します。実はかおす先生はただの萌えオタクではなく、翼さんの好きなアニメも含めて満遍なく視聴していました。さすかおです。
合流したみんなで先生の眼鏡を作りに眼鏡市場へ。5話のナガシマスパーランドもそうですが、こみっくがーるずでは施設名をなるたけ正式名称で使っていくんですね。
ランドルト環を思いっきり間違えつつ、先生の視力は右0.7左0.6。眼鏡を買うにしては微妙なところです。しかし店員さんの営業トークに乗せられて、先生は購入の意志を固めます。何より「成長期」というワードに舞い上がったのです。小夢ちゃんらには無言スルーを貫かれてしまいます。こみがでは珍しい光景。
眼鏡が似合わない人っていますよね。かおす先生もその一人だったようです。表情のせいでしょうか。きりっと表情を引き締めたときには結構似合っている気もしましたが、本人が耐え切れず沈んでしまいました。
小夢ちゃんも眼鏡をかけてみます。かおす先生が勝手に膨らませるコーディネートの妄想が可愛いですね。他人だとアイデアが色々浮かぶようです。
次は翼さん。期待を集めた果てに、BAN! それでいいのか、小夢ちゃん。
見たことのある2人が同じお店に来ました。虹野先生と編沢さんです。レイヤー仲間です。こうして並んでみると案外編沢さんは小柄なんですね。
どうやら虹野先生が教師っぽい眼鏡を求めているようです。そんな彼女の視力は両目1.5。ファッション眼鏡なんてけしからんとリアル眼鏡の編沢さんは憤怒します。しかし、眼鏡をかけた虹野先生はめちゃくちゃ可愛い! 許しましょう。
そこにかおす先生一行も合流します。自然と打ち解けていますので、いつの間にか全員の交友関係が繋がっていたようです。
かおす先生は眼鏡キャラの在り方について説きます。眼鏡をかけるには、知的、大人っぽい、ミステリアスの条件を満たさなければならない、あるいは確固としたきっかけが無ければならない。眼鏡っ子好きな先生なりのポリシーや制約があるようです。
そんなかおす先生に共感を示したのは編沢さんです。彼女は同じような理由で、視力が悪いのに高3まで眼鏡をかけずに過ごしていたとのこと。似た者同士か。ところで高校時代の編沢さんの制服が先生たちとそっくりですね。
しかし現在は眼鏡をかけておられる編沢さん。彼女を眼鏡に駆り立てた理由は、アニメを高解像度で見ることができるから。これまた共感アンド共感のかおす先生、購入の意志を確固たるものとします。
寮に帰り、購入した眼鏡を早速装着してみるかおす先生。世界が輝いて見えます。みんないつも以上に可愛く見えます。当然いつも可愛いんですけどね。
ちなみに、かおす先生はたくさんの美少女フィギュアを所持しています。そのフィギュアたちは琉姫さんに似たキャラが多い。なんだか危険な雰囲気も少し感じます。琉姫さんの下着は覗いていない、と軽く墓穴を掘ります。
そして話は、かおす先生がどうして一人で買い物に行こうとしたのか、ということについて。理由は2つありました。
- 萌えてテンションが上がったときに引かれたくなかったから。
- 素敵な大人になるために今のままではいけないと思ったから。
さて、これまでこみっくがーるずを拝観してきた視聴者には1つ目の理由が杞憂であることは当然わかります。
では2つ目は、というとこれもまた微笑ましいものです。こうして成長の目標を持つことができた時点で、先生は成長しています。結果は失敗してしまったものの、チャレンジできたことに意味があります。まさに成長期なのです。未来は明るい、と私は思います。
眼鏡をかけて、いざ漫画に取り組みます。フーラ先輩のおかげで背景を描くのが上手くなりました。先生の強みが増えて喜ばしい限りです。しかし、眼鏡によってよく見えるようになった目は、自身の下手な絵も見抜いてしまうのでした。見え過ぎるということも考え物なんですね。結局、眼鏡は封印となりました。
次回予告
次回予告です。
つくってあそぼを彷彿とさせる作り。
神降臨! 神降臨!
まとめ
かおす先生は成長期! 眼鏡をかけることをファッションや視力矯正のために限らず、かおす先生の成長に向かう意志として表現する手腕は見事です。
小夢ちゃんの連載決定の話がすぐに流れてしまったようにも見えますが、実のところはかおす先生が眼鏡を買おうと(それに値する自分になろうと)したきっかけで、重要なファクターなのです。さらに言えばギャグ寄りだったフーラ先輩とのやりとりも、他者との共感を意識させる契機です。
共感するために成長するのか、成長することで共感が付いてくるのか。それは難しいところです。
でも今回のお話でわかったように、経験も好みもかけ離れたようなフーラ先輩とも性格や出身地という共通点がありました。先を行ってしまった小夢ちゃんともフィギュアの萌えポイントで盛り上がることができます。
そんな2人はかおす先生のことが大好きなんです。先生には焦ることなく成長してほしいと思います。
そしてフーラ先輩が本当に可愛い! そろそろAパートを飛び出しBパートに進出してくださってもいいんですよ?
おわりに
以上となります。
長くなりましたが、最後まで読んでいただけたなら幸いです。
ありがとうございました。
本ページ掲載の画像の権利は、
©はんざわかおり・芳文社/こみっくがーるず製作委員会
に帰属します。