ヒロイン・あかりちゃんの見守る中、沖縄予選の決勝戦が始まります。対戦カードは、はるかな対エクレア。辛いことですが、それでもあかりちゃんは大好きな「友達」のため、両チームを応援します。
圧倒的な実力を誇るエクレアに、はるかなも負けていません。練習の成果をフルに発揮して、接戦を繰り広げます。しかし、やっぱりエクレアは強く、エミリさんの内にはある熱い想いがありました。
そんな第10話「アタシが戦いたかったのは」。
ストーリー
アバン ~ Aパート
大会優勝と全国進出を賭けた、はるかな対エクレアの試合が始まろうとしています。
共に練習の日々を過ごした仲とは言え、今日この機会ばかりは馴れ合う様子はありません。正々堂々の真剣勝負を前に、鋭い眼差しをぶつけ合います。
まずはコイントスでサーブ権を決めます。このバレーボール柄のコイン欲しいなあ。というのはさておき、結果、裏表を当てたクレアさんがサーブ権を選択します。
「がんばってください。みなさん」
と、あかりちゃん。固い表情です。みんなを応援すると決めたものの、どう転んでも一方の友達が勝利し、もう一方が敗北してしまう。そんな複雑な気持ちと不安感が表れています。みんな、大切な友達。
あかりちゃんは、ビーチバレー部お揃いの黄色いシュシュに手をやります。遥やクレアさんたちも身に着けていて、四人それぞれのシュシュと、試合に臨む真剣な表情の映るカットが流れます。
そして試合開始。
かなた曰く、クレアさんのサーブは強力だけどアウトも多いので、見極めることが大事。迷ったら取ろうと、前日の夜に遥と決めていました。
「クレアも言ってた。迷ったら突っ込め、って」
亀吉がちょうどのタイミングで頭を伸ばしますがたぶん関係ない。
エンドラインぎりぎりに飛ぶ高速ジャンプサーブが炸裂し、遥はレシーブミス。エクレアの先制点で、スコアは0-1です。
次はかなたがレシーブにつきます。遥と位置を入れ替えつつ上手くボールを拾って、最後はポーキーで相手のコートへ。しかし難なく拾われて、クレアさんのスパイクが遥のブロックをもろともせずに得点を挙げます。この一連の作画は必見。
本気のクレアさん、プレーも表情も真剣そのもの、そして強烈。普段の練習の姿とは全く違います。
全国二位の圧倒的な実力に、はるかなはピンチです。けれど全く諦めていません。かなたにはある考えがあるようで、もう一度自分がボールを取りに行くと言います。「次こそ切る」の言葉がかっこいい。
かなたがスパイクを決めます……が、なんとクレアさんはこれを足で取ります! さすクレ!?
トスの態勢に入るエミリさんは、遥の動きを見てからバックトスをします! 遥も我々視聴者もこれには完全に意表を突かれます。そしてクレアさんが再びサイドを狙ってスパイクです。かなたはこれを取ることはできませんでした。
ところが、ボールは惜しくもアウトでした。ようやくはるかなの得点で、1-4。なんとか悪い流れを断ち切れたものの、かなたはこれをラッキーだっただけと言います。エクレアの貫録を感じさせられますね。
次のボールは、遥がブロックするも、クレアさんのスパイクを止めることができません。が、その後ろではかなたが控えていました。遥の手を弾いたボールを、かなたが拾います。そしてツーアタックで遥のスパイクがコートに刺さります!
これで2-4となりました。第8話で学び、ようかん戦でも発揮した、一人で取れないボールは二人で取るというコンビネーション技が存分に活かされていますね。
息もつかせぬ攻防戦の中、遥は前日の会話を思い返します。「私たちには作戦がある」。
寝間着姿の遥エロい。
はるかなの作戦とは、クレアさんを狙うこと。性格的に崩しやすく、またエミリさんの使うポーキーの方が読みづらいと考えたためです。
最後は、クレアさんのスパイクを遥がブロックで締める! その通りに、遥のブロックが成功します。これで3-4です。
クレアさんはその作戦に気がついた上で「相手になってやる」と宣言。やはり手強い。
あかりちゃんは相変わらず固い表情で試合を見つめています。が、おばあちゃんに貰ったシークヮーサーのジュースをきっかけに、心持ちを改めます。(おばあちゃんにもしーちゃんと呼ばれています。)
「みなさんのこと、私は全力で応援するって決めてたんだから」
そしてわくわくシークヮーサーの歌とダンスを披露します。貴重!
素敵な笑顔になりました。
Bパート ~
試合はエクレアが僅かにリードしつつ、はるかなも食らいつき、スコアは18-19になりました。
思わぬかなたのジャンプサーブ(しかも無回転ボール)にクレアさんは体勢を崩します。なんとかレシーブするもボールははるかなのコートに向かいます。チャンスボールと見て二人が待ち構えます。
が、そこにはスパイクに臨むエミリさんの姿がありました。まさかの攻撃に、はるかなはボールを取れません。これで18-20。エクレアのマッチポイントです。
エミリさんのすごいところは、意外な攻撃を仕掛けただけでなく、調子の乱れ始めたクレアさんの様子に気づいてフォローしたことにあります。
「私だってもう昔の私じゃないの」
エミリさんは小学生の頃を回想します。当時はクレアさんがエースのように目立った活躍をして、エミリさんはお姉ちゃんをトスで支える立場でした。エミリさんはかっこいいお姉ちゃんを慕っていました。
それだけだと勝てなくなる、と母のマリッサさんはエクレアに言います。その真意を二人が知るのは、かなたと成美さんとの出会いでした。
大会の決勝戦。奔放なクレアさんのプレーと言動に対して、かなたは「二人でやらなきゃビーチバレーはできない」「エースなんていない」と返します。現在の成美さん、ひいては本作のテーマに繋がる信念ですね。
結果、エクレアは敗れました。そしてエミリさんは、かっこいいお姉ちゃんも完璧ではないこと、ビーチバレーは二人じゃなきゃできないことをかなたから学びます。
クレアさんの隣に立てるくらい強くなろうと誓い、努力を続けたエミリさん。気迫のこもったサーブで得点を挙げます。こうして一セット目はエクレアのものとなりました。
エミリさんが前に出てくるのは予想外のことで、かなたは感慨深げに見つめます。そして、「私だって――」と思うところがある様子。
二セット目も、同じくエクレアが先行してはるかなが食らいつく展開です。
エミリさんのスパイクを、かなたは予期していたかのようにレシーブします。ところがボールはそのまま向こうのコートの方へ飛んでしまい、ミスを思わせます。
なんとそれはミスではなくて、かなたの狙い通りでした。誰もいない地点へボールを戻したのです。攻めのレシーブ! これには思わずエミリさんもニヤリ。
かなたは瞳に闘志をみなぎらせています。
クレアさんの心には火がついたようで、
「私の知ってるかなたはそういう女だった。良いよ、その目。アタシが戦いたかったのは、その目のかなただ!」
怒涛の試合は次回へ続きます。
まとめ
熱い試合展開に目を離すスキが全くありませんでした!
全国二位の実績と長年の経験を持つエクレアペアの実力は凄まじいもので、特に足を使ったレシーブ、咄嗟のバックトスやツーアタックにそれが表れていました。ここではるかなに点が入った、なんて想像をいとも容易く越えたプレーを見せます。
はるかなもそうですが、共に練習していたのにお互いに相手の意表を突くところはまさに見事です。
そんな強力な相手に必死に食らいついて接戦を繰り広げるのが、はるかなです。
第9話の記事で「時間が経過したのに雰囲気の変化が感じられない」と書いたのですが、心身共にたくましくなった遥とかなたが見られた今回のお話では撤回せざるを得ません。
実力と経験では劣りながらも作戦を立てて熱い気持ちで挑む姿は、まさにスポコンの醍醐味。次回はかなたの風魔法も見たいところ。
クレアさんの活躍からエミリさんに移り変わるタイミングは絶妙ですね。試合の流れを変え、姉をフォローし、そのままセットを取ったナイスな瞬間です。かなたも予想外だったと声を漏らすほどです。
そんなエミリさんの内心には、クールな表情からは想像できない熱い想いが流れています。お姉ちゃん大好きエミリさん、良いですね。
そして注目すべきは、最後のシーン。ここで、はてなブログではるかなレシーブの記事を書かれている「ゆっちー」さんの考察を紹介させてください。
きっとクレアの中にも”あの時”のかなたにリベンジしたい気持ちはずっとあって。でも、成美とペアを解消してからのかなたに過去のかなたの勢いは感じられませんでした。
そしてこの試合では”あの時のかなた”を超えるチャンスが巡ってきました。クレアもかなたに言われたセリフは覚えているはずです。
「今度はエミリと2人でかなたたちを倒す!」
こんな想いをタイトルの「アタシが戦いたかったのは」から感じ取りました。
鋭い視点だと思います。確かにその通りで、今回はエミリさんの内心にフォーカスされましたが、一人で戦おうとして負けてしまった苦い過去を抱えるのはクレアさんも同様のはず。
それゆえに、攻めのレシーブと闘志みなぎる瞳に昔のかなたを見出したクレアさんのバトル脳喜びもひとしおですね。今度はエミリさんと一緒に彼女と戦える絶好の機会に、クレアさんの調子は乱れるどころか乗りにのっていきそうです。
さらに、上記の記事でゆっちーさんも書かれておられますが、今回のお話では遥の心情が珍しくあまり描かれていませんでした。
ということは、やはり次回に勝敗を分ける重要なキーとなることが予想されます。何せビーチバレーは二人で戦うものですからね。
おわりに
以上となります。
長くなりましたが、最後まで読んでいただけたなら幸いです。
ありがとうございました。
本ページ掲載の画像の権利は、
©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会
に帰属します。