梁幽館の勝負強さに追い込まれ、満塁で４番打者・中田さんが回ってくるという大ピンチを新越谷は迎えます。そこでとった、苦肉の策とは。
逆境でこそ燃え上がる詠深は、「あの球」に次ぐ新しい球、「強ストレート」を身に付けつつありました。相手打者を打ち取ります。
圧倒的強者を相手に、新越谷は勝つことができるのか。
そんな第11話「これが全国レベル」。
ストーリー
アバン ～ Aパート
１－１で迎えた３回裏。梁幽館の攻撃です。
下位打線である９番打者……と思いきや、「あの球」を読んで打ち抜いてきます。
次の１番打者の一塁打、２番打者のバントが決まります。しかし新越谷、１アウトを取ることができました。
３番打者はスクイズ狙い。珠姫、それを読んでいました。相手が無理して打ち上げた球をキャッチする……はずでした。
落下するボールに、真上の太陽が逆光で輝きます。そのせいで、珠姫はキャッチに失敗してしまうという痛恨のミス。
満塁で、４番打者の中田さんに打順が回ります。新越谷、大ピンチです。
自身の采配ミスを嘆く芳乃。次に皆で話し合って決めた采配は、再度の敬遠でした。
中田さんの実力を鑑みれば合理的な作戦、と梁幽館のマネージャーさんも評します。ただし、会場の反応と選手のメンタルを除けば。
梁幽館に１点が入って、１－２。同時に、会場から心無い野次が飛びます。
しかし、エース・詠深はめげませんでした。
５番打者を、練習で得た強ストレートで打ち取ります。そしてなんとゲッツー。
中田さん、最後の球の強さを認めると共に警戒の眼差しを向けます。
Bパート
先ほどの強ストレートを、「あの球」と同じくらいに爽快な投げごたえがあったと思い返す詠深。
しかし珠姫に言わせればまだまだノーコンなようで、ここぞの場面で使う予定とのこと。
珠姫は、中田さんとの勝負を想定していました。条件さえ整えば勝てるはず、と。
梁幽館サイドでも、強ストレートの話題が広がっていました。新越谷の投手（詠深）はストレートの投げ方を知らないまま変化球を身に付けたのでは。普段のストレートは未完成の状態なのでは。そんな議論が交わされます。
５回表。
２アウト、ランナーの珠姫が二塁です。次の打者は４番の希。
しかし、希の渾身の当たりも守備に阻まれてしまいました。
「芳乃ちゃん、次の打席回ってきたら……」
自信なさげな希の言葉。その続きを口にすることはできません。
投手の豊富な梁幽館相手に、延長戦では圧倒的に不利。だから勝つためには逆転の２点が欲しい。そうすると希に打席が回ってくるはずですが、果たして……。
５回裏。
打者２人を抑え、２アウト。そして梁幽館の次の打者は、４番の中田さんです。
自身の判断で対決していいと芳乃に言われていた珠姫は、敵の主砲・中田さんとの対決を決断します。
圧倒的威圧感です。ゴゴゴゴゴゴ……とか聞こえてきそうです。
態勢を崩して打った球でさえ、ファールゾーンのフェンス外まで飛びます。
詠深＆珠姫があえてストライクゾーンを外すボール球も、ガンガンカットします。それは、４ボールで逃げられないようにして決め球を打ち抜くという中田さんの気概。
まさに４番の中の４番、と梁幽館の選手は評します。
布石は打った……決め球は強ストレート……！
ついに詠深＆珠姫は勝負に出ます。渾身の一球！
そのとき、中田さんの不敵な笑み。
強烈な打撃音が鳴り響きます。打たれたボールは、なんとフェンス外へ。
新越谷に、絶望のホームラン。
というところで、今回はここまで。
次回、第12話「悔いなく投げよう」。
まとめ
梁幽館の全国レベルの強さを見せつけられる怒涛の試合展開と、それでも食らいつく詠深の新技・強ストレートさえホームランに飛ばされる絶望の引き……。凄い回でした。
芳乃が自身の采配ミスに落ち込む場面が多々ありましたが、ミスじゃない、と励ましてあげたくなります。不確定な運要素や、数値化できない敵の勝負強さが、不利な方向に作用してしまっていました。そんな中でも、新越谷は一丸となって健闘していたと思います。
詠深が身に付けつつある球、強ストレート。それは新技というより、詠深本来の能力に近い球とのこと。中田さんには打たれてしまいましたが、良くも悪くも警戒を受けるほどの、強力な速度・質を持っているようでした。
スコアは１－３、攻撃は残り２回という不利な状況下ではありますが、まだ負けたわけではありません。
詠深の覚醒、希の挽回、白菊ロマン砲など、逆転の一手はきっとどこかにあるはず。最後まで諦めず、チームの想いをひとつに、勝ちを紡いでほしいです。
アニメも野球も、最終回まで何が起こるかわかりません……！
真のエース vs ４番の中の４番
自分に求められるものは長打と割り切り、安易なボール球を受け付けない中田さんは、４番の中の４番。
逆境でこそ燃え上がり、チームの暗い雰囲気を吹き飛ばすような渾身の球を投げる詠深は、真のエース。
二度の敬遠の末に訪れた対決は、中田さんに軍配が上がりました。
キャプテンとして、主砲として、と自身の役割を理解してその通りに全うする中田さんの姿は、今後も高い壁として詠深と珠姫の前に立ちはだかるのではないでしょうか。
詠深は強ストレートを覚えたりエースに目覚めたりとありましたが、まだまだ成長途中。嫁の珠姫がこれからもしっかりリードしていき、やがては中田さんを始め強者たちを超えていってほしいですね。
今回のお気に入りシーン
打たれても諦めず、次に繋げるポジティブな笑顔。
プラスマイナスゼロの法則を実践する詠深でした。そういう仕組みなんです。
おわりに
以上となります。
長くなりましたが、最後まで読んでいただけたなら幸いです。
ありがとうございました。
