桜さんはシャミ子の命の恩人でした。しかし桃さんにはそうは思えず、吉田家の十年を奪ったと罪悪感を抱き、立ち去ってしまいました。
自身の戦う理由を見つけたシャミ子は、桃さんを追いかけます。そしてまぞくらしく持ちかける、ある取引。
そんな最終回、第12話「伝えたい想い!! まぞく新たなる一歩!!」。
ストーリー
アバン ~ Aパート
――街とシャミ子を守るために、桜さんはシャミ父を封印して姿を消した。
シャミ母・清子さんがずっと真相を隠していたのは、身体の弱いシャミ子を気遣ったためでした。何も知らせずに頑張らせる方が不誠実だった、と母は謝ります。
シャミ父・ヨシュアさんにも立派な角が生えております。しかもショタ! ……薄い本か。
清子さんはヨシュアさんの眷属になったことで老け止まっているそう。眷属というのは魔力上の血縁関係で、顔が赤くなるような身分のこと。
色々な人に助けられていることを知ったシャミ子は、自身の戦う理由を見つけます。
そして、桃さんを追いかけて走り出します
桃さんの代わりに見つけたのは、前回投げられて行方不明になっていたご先祖。
「お主、千代田桃を誘惑するのだ!」
弱っている心につけ込め、とまぞく的発想をシャミ子に授けます。やったぜ!
次に遭遇したのはミカンさん。
事情を聞いてあわや呪いを暴走させる(ミニ雨雲)も、シャミ子はおなじみの危機管理フォームで切り抜けます。なお98円。
落ち着いたミカンさんによると、この街では通常、まぞくと魔法少女が出会えないように結界が張られているとのこと。それでも出会えたシャミ子と桃さんの出会いには、運命的な不思議な力が働いているのかも。はやく結婚しましょう。
桃さんと桜さんが好きな場所を聞いて、シャミ子は赴きます。その、大きな樹木の立つ高台に、桃さんの姿がありました。
「シャミ子のお父さんを封印したのはうちのお姉ちゃんでしょ。もう仲良くする理由なくない」
「桃は私の宿敵です。仲良くする理由がなくても一緒にいていいはずです」
そしてシャミ子が話すのは、ある取引。
私と契約して、魔法少女をやめて眷属になってよ!
Bパート
『魔法少女・千代田桃、ドキドキ闇落ちプロジェクト』
桃さんは桜さんを探したい。しかし魔法少女を阻む結界があり行動に制約がある。だったらまぞくになればいい! シャミ子と眷属の契約を結べばそれが可能!
桃さんは、姉が吉田家から奪った十年を私には取り戻せない、と言います。
すろと、シャミ子は力強く、まぞくらしく言い放ちます。
「強くなって、もっといっぱい動けるようになって、全部欲しいものを取り戻せるだけ取り戻す。まぞくらしく欲張りに生きるのだ!」
封印の解除も、お父さんも、桃と一緒にいることも諦めない。命の恩人の桜さんをきっと探し出す。でもひとりだと戦い抜けないから、桃に一緒に戦ってほしい。
「私の……シャドウミストレス優子の配下になれ……!」
「シャミ子は急に、いなくならない?」
「私がこれから何をしても、今まで何をしていても、変わらずにいてくれる?」
「お父さんに誓って約束します」
手を取り合う二人。
そして二人は幸せなキスをして終了――
とはいかず、桃さんは自身に降りかかったハッピーを疑います。シャミ子と契約すると弱体化するのでは……?
「チッ、弱くなりまーす」
不利な事情を隠していたご先祖は、再度投げられて星になりました。
あやうく落とされるところだった、とひと息つく桃さん。落とされてよ!
そして桃さんから提案するは、自分がシャミ子を鍛え、シャミ子は代理で桜さんを探すという、今までとほとんど変わらない関係。闇落ちは一旦保留。
「私を眷属にしたいなら、私を倒してからにするがいい。期待してるぞ、まぞくよ」
シャミ子に合わせたような、かっこつけた言葉を使っています。照れ隠しですね。はい、可愛い。
「もうシャミ子からは逃げないよ」
やっっったぜ!
帰り道、ふたりは夕暮れの川沿いでポッキンアイスを食べます。ポッキンできないシャミ子の代わりに、桃さんがポッキンしてくれます。ママじゃん。
「これで勝ったと思うなよぉ……」
悔しまぎれの、本日の決め台詞です。
――
後日、ED曲流れる中、桃さんへの果たし状をしたためるシャミ子(浅瀬先生監修)。
まるでラブレターのような外観と文面になったそれを意中の相手に手渡します。いつもと服の色が違う、でもいつもより好きかも、なんて言いながら。
読んだ桃さん、
「何が言いたいのかさっぱりわからない」
でも傍から見た杏里ちゃんと小倉さん曰く、すごく笑顔。
やれやれデートに誘われたのだが、って感じ。
――せいいき桜ケ丘。
光の一族と闇の一族がゆるく共存し、住人は総じてスルー力の高い、かなり変な街。
ももーん。オシャレ可愛すぎか!
決闘とデート、アンジャッシュのようなすれ違いを起こす尊い二人。
最後、ヨシュアさんが娘のシャミ子に言っていたという言葉で、ナレーション改めヨシュアさんが締めくくります。
「がんばれ優子。誰よりも優しく、強くなるんだ」
まとめ
ありがとうシャミ子! 早く二期をやるんだ!
ナレーションの正体はまさかの父・ヨシュアさんでした。そうするとこれまでのシャミ子を応援するような天の声は全て親の愛が詰まっていたわけで、改めて最初から聞きたくなります。そして涙しそうになります。
お父さんの言葉通りにシャミ子は立派に成長しているのだな、と感じられました。特に良いのがやはり桃さんに眷属契約を誘う流れですね。自分で考えたシャミ子偉い!
シャミ子の誘いの本質は、桃さんに理由を与えるところにあります。消えた姉を中心に据えていた桃さんには、心に脆い部分があります。シャミ子が「私の目的達成に必要だから」と理由を与えることは、遠回りだけど桃さん自身の価値を認めることになるのです。強い、可愛いと持て囃される機会は多くあっても、アイ・メッセージで求められることは意外にも少なかったのでは。
宿敵だから、一緒に居ていい。必要だから、共に戦ってもらう。
まぞくらしい照れ隠し。素敵なまちカドを形作るシャミ子でした。はやく結婚しなさい。
あと、桃さんが同じ感じで照れ隠しを言うのもまた尊い。はやく(略)
シャミ子は犬が苦手だったはずが、桃さん探しとご先祖救出で頭がいっぱいだったのか、吠える犬を撫でて上手いこと手なずけていましたね笑
これも成長です! さすシャミ!
ちなみに犬の名前は、いぬ笑
今日の桃さん情報、
- 桜さんの失踪時には別の街に預けられていた。
- この街では行動に制約がある(結界のため)。
- シャミ子の眷属になることはHAPPY
自分でHAPPY言ってましたからね!
ポッキンアイスでママになったり、「いなくならない?」と年相応に不安を露わにしたり、デートに誘われてすごい笑顔になったり。桃さんの奥ゆかしい魅力は深まる一方です。
シャミ子がいなくならない&桃さんがもう逃げない、が両立するということは、二人が一生を添い遂げることはもはや確定事項なわけです。やったぜ。
この街で桃さん(魔法少女)とシャミ子(まぞく)が出会えたことは運命だそうです。シャミ子にある桜さんの気配が謎に関わっているそうです。わからないことは多いものの、今は桜さんが恋のキューピッドということで。
二人して食べるポッキンアイスは、OPでも登場するアイテムでした!
本編では桃さんが買って来て、ポッキンもしてあげます。
OPではシャミ子が用意してきた様子。ポッキンできたのかな。
彼女たちの日常はこれからも続くわけで、こんなひとときだってきっとあるはず。
今回のお気に入りシーン
シャミ子の肩に桃さんが手を添えます。シャミ子が悪いんだよ。
元気になった桃さんから、シャミ子を丸め込むいつもの流れに入ります。
まぞくよ、嬉しい気持ちが尻尾からバレバレだぞ!
全体評価・感想
このアニメへの個人的な評価は、S評価とさせていただきます。
ちょっとポンコツだけど誰よりも優しく一生懸命なシャミ子と、掴みきれない魅力の数々のクーデレ桃さんとの関係は、令和の始まりを彩る最高の尊さでした!
まぞく、魔法少女、呪い、光と闇の因縁などのファンタジーな背景こそあれ、シャミ子らが街に息づき、うどんやお出かけのような些細なできごとで一喜一憂する様は、まさに日常系の醍醐味といったところです。
声優さん、アニメスタッフさん、伊藤いづも先生、
素晴らしい作品をありがとうございました!!
おわりに
以上となります。
長くなりましたが、最後まで読んでいただけたなら幸いです。
ありがとうございました。
私は難民まぞくです。