チャンピオンとの対決を間近に控え、遥ちゃんとかなたちゃんは特訓を重ねます。
そんな中で、レシーブを避けてしまう、かなたちゃんの抱える想いが見えてきます。
ビーチバレーにエースは必要ない。成美さんの言葉の、本当の意味とは?
沖縄の空の下で、熱い戦いが始まります。そんな第2話です。
ストーリー
アバン ~ Aパート
回想の試合で、幼い女の子二人のチーム。その一人はかなたちゃんでした。
何故か、かなたちゃんは全くレシーブしようとしません。チームメイトが慌てて取ろうとするも、失敗。
かなたちゃんは申し訳なさそうに「成美ちゃん……」と呟きます。
さて、成美・彩紗のチャンピオンチームとの対決を来週に控え、遥・かなたチームは特訓をしていました。その内容は、ビーチフラッグです。
揺れます。元より運動神経の良い遥ちゃん、特訓を重ねる度、タイムがどんどん伸びます。どんどん揺れます。
直近の目的は、砂に慣れること。砂の上で基本の動作を身に付ける必要がある、とかなたちゃんは説きます。まるで本物のコーチのようです。スク水可愛い。
そんなわけで、「かなた鬼コーチ」と呼ばれるのでした。
ここで意外な事実。ビーチバレーにはユニフォームがありません。特に指定はなく、使用する水着は、各々が動きやすいように調整しているそうです。
胸はともかく、良いお尻のラインが出ています。
遥ちゃんの水着はオシャレ目的なので、腰の紐が長く、激しい動きで邪魔になります。サイズもゆったりしています。勝利のために、遥ちゃんは水着の調整を決意します。
「とっても可愛いお尻だと思います……」
わかります、かなたちゃん。
試合まであと三日。今日からボールを使った特訓。ありがとう、鬼コーチ!
遥ちゃんの練習は、レシーブとスパイクに絞ります。(……前回の記事で私はアタックと連呼していましたが、スパイクが正しい様子)
理由は、ビーチバレーでは二人のうち弱い方を狙うことがセオリーだから。
狙われるのは初心者の遥ちゃんのため、レシーブ(遥) → トス(かなた) → スパイク(遥)、の流れがメインになるわけです。ここに絞って練習しようというのがかなたちゃんの考え。なるほど、かしこい。
そして遥ちゃんのレシーブ練習が始まります。私もスク水かなたちゃんのスパイク受けたい。遠くではキンキンに冷えたペットボトルの表面を水滴が伝って落ちています。夏で、夏休みですね。
次はスパイク練習。かなたちゃん曰く、スパイクは取れなくて当たり前とのこと。
「それってスポーツとしてどうなの……?」と遥ちゃんでなくてもつい思ってしまいます。が、二人だけで広いコートを守るビーチバレーではそれも仕方ないそうです。そこで必要なのは、必殺のスパイクではなく、いかに相手の隙を突くか。
つまりは腹の探り合いだ!と自分のお腹を叩いて跡が残ってる遥ちゃん。そんな彼女にかなたちゃんが提案するのが、カットショット。
カットショットは、ボールを斜めの方向(クロス)に打ちます。相手の不意を突けますが、まっすぐ打つよりも難しいので、実質チャンスは一回。がんばれ遥ちゃん!
カットショットのポーズ。
早速練習に入ります。しかし、「トスだけでいいの?」という何気ない質問に、かなたちゃんは言葉を濁すのでした。
夜になり、よく食べる遥ちゃん。お風呂シーンもあります。やったぜ。
ひたすら楽しそうな遥ちゃんと対照的に、かなたちゃんは苦い過去を思い返します。それは冒頭の回想シーンにあった試合の光景です。
幼いかなたちゃんのスパイクは、相手のブロックに阻まれます。成美さんのドンマイのかけ声もほとんど届きません。そして彼女はスパイクをしないために、レシーブをやめたのでした。
Bパート
試合当日がやってきました。
はりきる遥ちゃんは早朝ランニング。すると途中、砂浜で彩紗さんと再会するのでした。
「本気でビーチバレーするなら、比嘉さんと組むのはやめといた方がいいよ」
彩紗さん曰く、かなたちゃんは成美さんの元カレ、つまり昔のペアでした。身長の低いかなたちゃんは狙われ続け、やがてボールから逃げるようになりました。成美さんは、そんな彼女を庇おうとエースにならざるを得なかったのでした。
前回の成美さんが言った「エースなんて考え方、ビーチバレーじゃない」という言葉が深い意味を持っていたことがわかります。
それでも、遥ちゃんは言います。
「それでも私は、かなたちゃんとやりたい」「かなたちゃんを信じたいんだ」
ビーチバレーを愛するかなたちゃんの想いが伝わった。特訓の日々が楽しかった。細かな理屈はなくても、二人の感情はもう繋がっているということだと思います。
陰で聞いていたかなたちゃんも、心の迷いが晴れてその場を後にするのでした。
家に戻ったかなたちゃんは、成美さんとペアを組んでいた昔の写真を見返します。その思い出を噛みしめつつ、今度はスク水ではなくて、昔の水着に着替えるのでした。彼女の決意の証です。
そして、ついに試合開始です。ルールは前回と同じで、遥・かなたは1点でも取れれば勝利です。ついでに賞品に敗者からのアイスが決まりました。
最初から成美さんのサーブ。なんとジャンプサーブです。ガチです。立て続けに2点を取られます。
次はなんとかレシーブしますが、彩紗さんに防がれ、さらに1点を失います。ここでかなたちゃん、奥の手のカットショットは次の次で使う――という作戦を立てます。
次も点を取られ、0-4です。
次のカットショットで決める、と遥ちゃんは内心で意気込みます。が、その自信は成美さんに感づかれているようで……。
遥ちゃんは渾身のカットショットで決めに行きます。ボールはブロックを抜けて砂浜へ――しかし、行動を読んでいた成美さんが、落下地点に飛び込んでいたのでした! ボールは拾われ、彩紗さんのスパイクが決まります。これで0-5。流石チャンピオンです。
勝つためには、いかに相手の隙を突くか。
遥ちゃんは、かなたちゃんにレシーブをお願いします。かなたちゃんの過去を知ってもなお、遥ちゃんがそうお願いする理由。それは、彼女を信じているからです。
成美さんのサーブボールに、かなたちゃんは身体が動きません。0-6、マッチポイントです。
自分にレシーブはできない――かなたちゃんの足が自然と後ろに進みます。が、遥ちゃんから寄せられた信頼が、彼女の心に火を灯します。自分を信じてくれるペアのために、かなたちゃんはレシーブをします。
かなたちゃんのレシーブに、成美さんは呆然として身体が動きません。彩紗さんがネットに寄ります。遥ちゃんのトスとかなたちゃんのスパイクは届くのか――!
が、なんとここで遥ちゃんがまさかのスパイク! 味方をも驚愕させる意表を突いたツーアタックは、見事に敵のコートに刺さりました。勝利です!
試合が終わり、成美さんは思わずその場を走って逃げだしてしまいます。
とりあえず、賞品のアイスはおあずけ。
2チームそれぞれの時が流れます。
かなたちゃんの笑顔と、レシーブ。
彼女を苦しめていたのかもしれない、自分が間違っていた、と成美さんは自分を責めます。エースとして頑張ることが、自分だけでなく、相手も傷つけていたのだと涙を流します。
彩紗さんは、成美さんを抱きしめます。「遥の方がちょっとだけ器用だっただけだよ。成美の優しさは間違ってない」。
かなたちゃんは、成美さんとの過去や想いについて自分の口で語ります。低い身長が原因で成美さんの足を引っ張るようになり、ついにはビーチバレーを辞めてしまった。成美さんが別のペアで活躍し始めて、これでよかったと自分に言い聞かせていた、と。
遥ちゃんが最後のレシーブをかなたちゃんに任せたのは、成美さんの感情に気がついたからでした。成美さんのサーブは初心者狙いではなく、かなたちゃんを避けていたのです。そんな二人をレシーブで引き合わせることに勝機を見出したのかもしれません。
試合の後は、そうして切ない時間が流れるのでした。これから前に進むための貴重な瞬間だと思います。
コートに見知らぬ金髪美少女二人が現れます。
鬼畜こけしが喜びそうな光景ですが、果たして……。
まとめ
スポコンらしい爽快な2話でした!
かなたちゃんが自分を信じてくれる遥ちゃんのためにレシーブに向かう姿、とても良かったです。ビーチバレーが大好きだという想いも根底に流れているので、これからの活躍が大いに期待されます。本当に応援したくなる女の子です。
遥ちゃんの優しさも素敵ですね。底抜けに明るいのはもちろん、ちゃんと相手のことを思いやれる女の子です。それでいてツーアタックで決める意外性もあって、私も驚かされました。そして良い身体。彼女が心折れてしまうような展開はあるのでしょうか? もしあれば、是非かなたちゃんに助けてほしいですね。ああ、尊い。
成美さん&彩紗さんの今後も気になります。固い絆で結ばれた恋人のようです。彼女たちなら、今回の件で一皮剥けてさらに成長できるのではないでしょうか。
ビーチバレーは二人で戦う。それがこの作品のメッセージなのかな、と思います。ビーチバレーは、二人が力を合わせてこそ成り立つスポーツです。かなたちゃんは、遥ちゃんの信頼に応える形で、レシーブの壁を乗り越えました。遥ちゃんがスパイクを決めているのでエースと見られがちですが、それでもかなたちゃんがいるから打てるのだと思えば、やっぱりエースなんて役はないのかもしれません。凸凹ペアがこれからどんな風にビーチバレーをしていくのか、非常に気になりますね。
あと、オープニングとエンディングはまだでしょうか。早く見たいです!
おわりに
以上となります。
遅くなりましたが、最後まで読んでいただけたなら幸いです。
ありがとうございました。
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