大城あかりちゃんが仲間になったビーチバレー部。そこに現れたのは、エクレアの母、マリッサさんです。ビーチバレーのプロコーチであるというマリッサさん、果たしてどのように指導してくれるのでしょうか。
そして時は過ぎて、お正月。沖縄に、あの人が来ていました。彼女に会うために、かなたは走り出します。
そんな第8話「約束守ってみせるから」。
ストーリー
アバン ~ Aパート
遥たちビーチバレー部の練習場所に現れた金髪美女は、エクレアの母、マリッサさんでした。かなたは昔、エクレアや成美さんたちと一緒に、彼女にビーチバレーの指導を受けていました。
「戻って来てくれて嬉しいわ」と、優しく微笑みます。それと共に、かなたのブレスレットが一瞬のカットで映ります。かなたのご両親は亡くなっているようで、ビーチバレーをやめた契機の一つであるのかもしれません。形見でしょうか。
どうしてこんな時期にマリッサさんが沖縄まで来たのか。それは、
「ミー?」
「イエース!」
当たりのようでした。マリッサさんの目的は、はるかなを鍛えること。
マリッサさん、今度は遥を抱きしめます。その母なる愛情もさながら、なんと身長が遥よりも高いのでした。
これには遥、滅多にない経験に嬉しいような悔しいような複雑な気持ちに苛まれます。第1話冒頭では高身長にややコンプレックスのある様子でしたが、ビーチバレーで身長を活かすようになり意識の変化があったのでしょうか。
【悲報】しーちゃん、アスリートママの練習に参加できない。
さすがの沖縄といえども夏が過ぎて肌寒いのか、みな服を着ての練習です。でもやっぱり同じ時期の本州に比べるとかなりラフな格好。
はるかなに課せられた最初の練習は、マリッサさんのスパイクを取ること。
稲妻のようなボールが砂浜を穿ちます。そう、めちゃくちゃ速くて強力なのでした。
実はマリッサさん、今の遥とかなたではスパイクを取るのに力量不足であることを織り込み済みのようです。
そこで、遥とかなた、二人合わせてはるかなは考えます。そして閃きます。
ブロックとレシーブの練習を一緒にやる意味――それを、二人の力を合わせてスパイクを取ることと見出します。遥がブロックすることでボールの勢いを削ぎ、かなたがレシーブする。そうすることで、はるかなは見事に課題を達成するのでした。
「パートナーを組むということは結婚のようなもの」
どんな難題も、二人で考え、答えを出して、力を合わせればいい。支え合って成長していきます。
マリッサさんは、考えて動くことが苦手な遥の性格を見抜きます。それでも、かなたの天使のような笑顔を引き出した、遥のエンパシー(共感力)を褒め称えます。心で感じるままに動く、それが遥の持ち味でありビーチバレースタイルなのです。
休憩では、かなたとエクレア姉妹が出会った頃の思い出話をします。第3話でも語られていましたね。よければ参照ください。
小学生だったかなた・成美さんペアはジュニア大会の決勝戦に進んでいました。決勝戦の相手は、けしからん胸のエクレア姉妹です。クレアさんは当時から元気いっぱい、エミリさんは今よりおどおどした様子。
試合は、22-21で、かななるがわずかにリード。
クレアさん、ミスをして弱気になったエミリさんに「お姉ちゃんに任せなさい!」とかっこよくフォロー。ごちうさかな?
かなたが繰り出したのは、ボールを後ろに飛ばすトス! 意表を突かれたエクレアのコートに、成美さんのスパイクが決まります。こうして、かななるが勝利するのでした。
試合を終えて、4人は良きライバル、良き友達となります。青春ですね。
そしてビーチバレーで繋がる輪は、今もあるのです。やったね、あかりちゃん。
それから、かけがえのない時間が過ぎていきます。
練習や、正式な部への昇格、期末テストや終業式、そしてやっぱり練習。年末までぎっしりビーチバレーをやるようで、さすがマリッサさん、超鬼コーチ。
そんな時期でもかなたちゃんがノースリーブで、さすが沖縄です。それはさておき、お正月には久々のお休みがあるそうです。遥には何やらやりたいことがある様子。
Bパート ~
お正月、ビーチバレー部は宜野湾神社に初詣に来ていました。遥、ナイスお誘い。
ちなみにみんなのお願いは、遥とクレアさんが「全国優勝」、かなたとエミリさんが「怪我をしないように」。あかりちゃんのお願いはわかりませんでした。
それぞれパートナーとは違うお願いをしているものの、元気な子と落ち着いた子という組み合わせで、なんだかんだ息ぴったりです。
着衣でもわかる、良いものをおもちのあかりちゃん。
みんなで一枚の絵馬にお願いを書きます。全部はわかりませんが、遥は「めざせ――」と続けて書いていました。
今度はおみくじです。遥とクレアさんが大吉、かなたとエミリさんが中吉。やっぱり息ぴったりだなと思っていると、あかりちゃんは凶。持っている子ですね。
すると、遥に電話が。相手は、懐かしの彩紗さんでした。
実は彩紗さん、成美さんと一緒に沖縄に来ていたのです。しかし3時半にチェックインの飛行機で京都に帰る予定とのこと。はやく言ってください!
言えなかった理由は、成美さんにあります。最後にかなたと対面したのは、第2話の勝負のときです。遠くでかなたの活躍を聞いて安堵しながらも、ずっと悩み続けていたのでしょう。やはりまだ会って話す自信がない様子です。
それを知ってか知らずか、遥はかなたを連れて空港に行くと即決で宣言。彩紗さんもにんまりです。
遥とエクレア姉妹は、迷いを見せるかなたの背中を押します。そして、あかりちゃんも。仲良くなろうと声をかけてくれて嬉しかった。それはきっと成美さんも同じ。だから元ペアであることは置いといて友達として会えばいい――と。ええ子や……。
遥の差し伸べる手に、かなたが手を重ねます。やったぜ!
ナイスタイミングで来てくれたマリッサさんの車に乗り込んで、いざ空港へ!
ここ可愛い。
空港では、成美さんが待ってばかりいる自身を責めます。
それをフォローするのが、今嫁の彩紗さんです。
「成美が受け身なことなんて私だって知ってるよ。当然、比嘉さんだって百も承知でしょ」
ビーチバレー部一行の車は、渋滞に嵌っていました。時間は刻刻と迫っています。間に合わないかもしれない……。
「走ろう」
かなたも「うん!」と応じます。
車から降りて、みんなで走り出すのでした。
「強くなったわね、かなた」。マリッサさんがしみじみと。
エンドテロップとBGMが流れる中、走ります。青春です
時間が来てしまって、名残惜しくも、成美さんと彩紗さんはチェックインのゲートをくぐります。そこに、かなたが到着します!
「日本一に、なるって約束……守って……みせるから! 今度は、遥と一緒に!」
かなたの言葉に、成美さんは振り向きもせずに歩き出します。何も言ってくれないと思いきや、彼女は背中越しにあるサインを送ります。
かつて約束を結んだ、右手の小指を立てます。言葉はありません。しかしまさしく、長い時を越えて二人が再び約束を結んだ瞬間でした。
なるあやの乗る飛行機をみんなで見送ります。
――そして、忘れられない私たちの夏が来る。
まとめ
やっとかなたと成美さんの心が通じ合ってよかったです!
成美さんは最初に登場した頃こそ刺々しい態度がありましたが、本当はめちゃくちゃ良い子なのです。エミリさんと連絡をとってかなたを陰ながら応援していた姿にそれは表れています。
かなたが昔の約束を覚えていた、そして遥と一緒に再スタートをきったことを本人の口から聞けた成美さんの喜びは、とても言葉では言い尽くせません。だからこその、小指なのでしょう。
とは言え、まだ二人は言葉を交わしていませんし、顔も対面していません。きっとそれは、いつかコートを挟んだときになるのではないでしょうか。楽しみ。
迷うかなたの背中を押すビーチバレー部のみんなも最高ですね。エンパシーな嫁の遥、昔馴染みのエクレア姉妹、そしてあかりちゃん!
自分の受けた想いや優しさを相手に還元することのできる優しい子です。あかりちゃんは成美さんと重なる部分があって(性格は1ミリも似ていないのですが)、それが前回同様、良い形で活かされていたと思います。
遥によると、これから忘れられない私たちの夏が来るとのこと。これからどんな風に物語が進むのか、とても楽しみです。
おわりに
以上となります。
長くなりましたが、最後まで読んでいただけたなら幸いです。
ありがとうございました。
本ページ掲載の画像の権利は、
©如意自在・芳文社/はるかなレシーブ製作委員会
に帰属します。